21cmの懺悔

朝から山口県某所にある刑務所まで行ってきた。
古い友人がある過ちを犯し受刑者として服役している。
かれこれ2年くらいここで償いと反省の日々を送っている。
罪状はここでは詳しく書きませんが、罪は罪。
手紙でいろいろ聞いてはいましたが、様子を見に面会に行くことにしたのです。
山間にたたずむ施設は新しくて近代的。
イメージする暗い感じの刑務所とはほど遠い。
最先端の病院か介護施設みたい。


要塞のような分厚い塀ではなく高いフェンスがある。
各窓には檻も見あたらない。
面会者入り口に入ると施設の案内や受刑者たちの生活風景などの
ビデオが流れてる。それによると受刑者全員にはICチップが付けられ、
完全監視されてるよう。
面会用の用紙にいろいろ記入し、身分証提示して待つこと30分。
インフルエンザの施設持ち込みを考慮して面会者にはマスク着用とのこと。
当然でしょう。

財布や携帯などをロッカーに預け、未来的なセキュリティーエリアへ。

金属探知機で念入りに身体を撫で回される。
そして襟部分や袖あたりにガーゼみたいなもので拭き取られる。
付着した汗から検出する薬物検査らしい。
拭き取ったガーゼを何だか凄そうなマシンで検査中。
違法薬物使用してると当然ここで感知するらしい。
こんなことまで徹底してるんだな。すごい・・・。
10分ほどで我々は無事にセキュリティエリアを通過。
長い廊下を先導され、いくつもの電子ロックを解除しながら面会待合室へ。
何部屋かある面会室へ通され久々に友人と対面した。
当時90kgくらいの体格だった彼は50kgぐらいになっていた。
いろいろな話を粛々と話す。
真面目に勤めてるようで、類と呼ばれる5段階の位のうち、
2類になったといってた。5類からはじまり日頃の生活態度等で
上にあがれるらしい。ちなみに2類にあがるとひと月に2回お菓子が
自費で買える権利があるらしい。
1類になると3回買えると・・・。
彼は、そのお菓子さえも返上して自分を律している。
来年の夏までには出所してHWのコンサートに行きたいと
目を輝かせていた。
彼の一日の作業は竹箸を作っている。
ある程度カットされた竹が流れてきて、その竹を21cmに切りそろえる係らしい。
確実に21cmに揃えると・・。1日中ひたすらに、竹を21cmに揃えていると・・・。
俺がとやかく言う前に存分に懺悔の日々を繰り返してるはずだろう。
しかし友人といえど同情の余地はなし。
そして刑務官から30分たったから終了の合図。
出所まで頑張れとだけ伝える・・・。
ちょうどお昼時間だったので施設の食堂へ。
限定で受刑者と同じ食事ができるということでそれを注文。370円。

麦飯に豆腐の炒め物、もやしとほうれん草の和え物、ニラの吸い物、白玉きなこ。
そこまでマズいことはなかったが、決して美味いとはいえない。
味もうすぅ〜〜。健康的だけど・・・。
ニラの吸い物なんかお湯にニラが沈んでるだけみたい・・。
帰り際売店に寄ってみると、・・・ありました。

彼が21cmに切りそろえた竹箸。
少しだけ立派な箸に見えた。