おじいちゃんのはなし。

ハチャメチャな人やった。
夜には急な坂道を無灯火でNOブレーキで駆け下りる。
頼まれてもいないのに人の庭に無断侵入して、勝手に庭の植木を剪定する。
そして縁側に陣取り「茶を出せ」と恫喝。
ある正月では近所中の軒先に五円玉をくくりつけて周り、
翌日一軒一軒に「お前のとこ昨日、ねずみ小僧がきたやろ?」と自作自演。
近所の方々は「また渡辺んがたのジイさんが来てなんかしよるばい」と暖かい。
オレのじいちゃんのことである。
ホームセンターで買った塩ビの水道管をくっつけ「渡辺式健康肩叩き器」として特許出願。
90歳での富士山登頂が新聞にも載った。
明治37年生まれ。
もう10年以上前に93歳で死んだ。大往生。
死ぬ一週間前に「わたしゃそろそろ逝くばい」と予言。
じいちゃんのことを語ると一冊出来そうなくらいに伝説があるのでこのくらいにしとこ。
そんなじいちゃんは1992年に地元のテレビ局に乗り込み、番組プロデューサーに
しつこく「おれを特集しろ」と持ち込み企画で直談判。
じいちゃんに圧倒され仕方なく”今週のおじいさん”というコーナーが出来ることに。
オレは当時HEATWAVEで上京中だったが実家からVTRでその番組を見た。
ハチャメチャっぷりを発揮してレポーターもタジタジな様子だったような・・・。
そのビデオテープはいつしかどこに行ったか不明になる。
そしてつい最近、そのテレビ局の人と話す機会があってそんな事を伝えたら、
当時の映像を探してくれてDVD-Rに焼いてくれました。
20年振りくらいに見返すとやはり伝説そのままやった。
日頃やったことない粗塩で眼球洗浄を健康法だと見せつけ、全裸で腕立て伏せ。
自分のじいちゃんながらそのたくましさとバイタリティに唖然・・・・。
ばあちゃんも母ちゃんも写っている。
映像を見てオレは笑い泣き。
またじいちゃんと風呂入りたくなったな。
じいちゃんを誇りに思ってます。そして血で繋がってることも。
オレの父ちゃん(じいちゃんの息子ね)もすごい人生なんだけどね・・・。
父ちゃんのなはしはまたいつか。
このDVD-Rは宝物のひとつになりました。
KBCドォーモ」の方々、感謝します。










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